49人の壁を建てる社長
ビルが会議室に巨大な「49」と書いた札を掲げた。
ビル「うちの事業場が49人なら、ストレスチェックなんて永遠に関係ない。永久免除の数字だ!」

49人の札は、お守りじゃなかった
ボブ「『永遠』って、何の法律に書いてあるんだ」
エビー「ビルが数字をお守りにしているわ」
ビル「50人以上の事業場が義務だろう。49人なら一人分だけ勝っている」
ボブ「法律は椅子取りゲームじゃない」
エビー「それに何人いるかで、働く人の心の負担が消えるわけじゃないでしょう」
ビルは元証券マンらしく境界の数字に敏感だった。基準を一つ下回るなら、事業主として考えることもなくなると思い込んでいたのである。
ボブ「僕は医者だから言うけど、制度の実施と個人の診断を混同しないでほしい。チェックは治療の結果を保証する仕組みじゃない」
ビル「じゃあ社員のストレスをゼロにするランキングを作ろう」
エビー「それこそ数字の使い方を間違えているわ」
2026年11月7日確認|小規模事業場にも義務化が決まっている
厚生労働省の公表資料では、労働者数50人以上の事業場にはストレスチェック制度の実施義務があり、従来は50人未満が努力義務だった。2025年公布の改正労働安全衛生法によって、50人未満の事業場も2028年4月1日から義務化される。

ビル「えっ、49人のお守りが使えなくなるの?」
ボブ「制度が変わる。2026年現在の義務の範囲と、これからの施行日を分けて読もう」
エビー「しかも人数は会社全体の合計だけで考えればいいわけじゃない。事業場を単位とする制度なのよね」
ボブ「そう。対象者の範囲や実施の仕方も、公的な資料に沿って確認したい」
ビルはあわてて従業員名簿を机に広げた。しかし手書きの人数を数え直しても、施行日が変わるわけではない。
ビル「では今日は少しでも安い代行サービスを探そう」
エビー「無料のツールと、実施の運用まで任せる代行を混ぜないで」
ボブ「料金の基本単位も確認しよう」
ストレスチェック代行料金ランキング
今回は50人以上の事業場で、WEB版57問の代行を比較する際、公式公開料金から基本構成を読み取れるかを基準とした。見積書や対象者数で金額が変わる場合があり、最終契約額のランキングではない。以下は2026年11月7日の公式表示確認結果である。
| 順位・サービス名 | 料金 | 条件 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 1位 ストレスチェッカー | WEB代行57問:250円/人(税別)。200人以下は一律55,000円(税込) | 初期費用・月額費用0円。専任コンサルタント、WEB受検、集団分析などを掲示 | 定額部分を見ながらWEB代行を比較したい事業場 |
| 2位 COCOMUストレスチェックサービス | 基本利用料30,000円/法人+WEB版350円/人~(税別) | 対象者数・実施内容で見積り。集団分析10,000円~、用紙版650円/人~は別料金 | 担当者の伴走や追加メニューも相談したい法人 |
1位の根拠: ストレスチェッカーは200人以下のWEB代行57問を一律55,000円(税込)と公式に表示している。
2位の根拠: COCOMUはWEB版350円/人~に加えて法人単位の基本利用料30,000円を明示しており、固定費と従量費を分けた見積りが必要となる。
二社は税込・税別の表示方法が異なる。COCOMUは諸経費や最低引受金額が設定される場合があるため、単純に人数を掛けた額が最終請求額とは限らない。
ビル「COCOMUで100人なら、350円掛ける100人で35,000円! 安いじゃないか」
ボブ「基本利用料30,000円を忘れているぞ。表示の下限から考えれば、65,000円(税別)に別途費用の可能性もある」

基本利用料を、足し忘れていましたね
エビー「ストレスチェッカーの一律55,000円は税込表示。表の数字は税の条件まで読んで比べるのよ」
ビル「算数は得意なのに、見たい数字しか足していなかった」
ボブ「式が正しくても項目を落とせば答えは違う」
無料プランは代行と同じではない
ストレスチェッカーは57問の無料プランも案内する。しかし公式表示では無料プランは自社スタッフで運用する仕組みであり、WEB代行と同一サービスではない。無料プランには年500人以上の場合の従量料金表示もある。

ビル「無料で全部任せられるなら最高だ」
エビー「『無料』と『任せられる』を勝手に足さないで」
ボブ「検査の準備、実施者の体制、個人結果の扱い、必要な面接指導への対応など、誰が行うか確認する必要がある」
COCOMUの公式表には集団分析や補足的面談などの別メニューがある。ストレスチェッカーもプランによって対応する内容が異なる。単価だけでなく、依頼したい範囲をあらかじめ明確にしなければ比較できない。
シルクワーク博士は「受検率100%」の張り紙を剥がした
博士が来たとき、ビルは新たな張り紙を作っていた。「全員必ず回答。ストレスゼロを達成」と書いてある。
博士「まず、その目標をしまおうか。ストレスチェックは労働者の心の状態を会社が自由にのぞく制度ではない。プライバシーへの配慮と、制度に沿った実施が重要だよ」
ビル「会社のためなら結果を全員分見てもいいんじゃ?」
博士「個人結果の扱いにはルールがある。本人の同意なく事業者が結果を取得できるかという点も含め、厚生労働省の実施マニュアルを確認しなさい」
ボブ「医師による面接指導などの扱いも、代行サービスの料金に全部含まれると決めつけてはいけないですね」
博士「そのとおり。費用比較をするときは、対象者数、実施方法、基本料金、個人情報保護、結果通知、集団分析や面接指導の扱いを分けよう。義務化への準備は契約だけでは完成しない」
エビー「社員が安心して利用できるかも大事だわ」
博士「制度を満たすことと、働きやすい職場を作ることは関係するが同一ではない。結果が出たあとに、職場環境をどう見直すかを考える余地もある」

制度は、満たすだけのものではありません
49の札の行方
ビルは「49」の札を裏返して「準備中」と書いた。
ビル「人数だけで逃げず、実施の体制と費用を確認する。社長として立派な決意だろう?」
ボブ「ようやく前向きな判断だ」
エビー「でも何かもう一枚札があるわ」
ビル「『社員にストレスを感じさせないため、社長は本日から発言を控えます』」
ボブ「それはいつまで?」
ビル「……僕が褒められるまで」
エビー「もうしゃべっているじゃない!」
2028年4月の小規模事業場への義務化を見据えるなら、49人だから永遠に無関係とは言えない。料金の安さだけでなく、実施体制と個人情報の扱い、追加費用まで確認することが、経営者の現実的な準備になる。
出典
厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」
合わせて読みたい
読んで終わりじゃ、もったいない。この記事のテーマを、あなたの次の一歩へ
- このテーマを仕事の現場で活かすなら、コミッターズ(COMITTERS)へ。集客・営業の実務コラムと、無料相談の入口があります
- 心の整え方を、本でもっと深く。楽天ブックス
で、このテーマの関連書籍が探せます
- 一人で抱え込まず専門家に相談したいときは、お問い合わせからご連絡ください。次の一歩を、一緒に整理できます
PRがあります


コメントを残す