やめる日を占う儀式
ビルはダイナーの中央に「本日こそ悪い習慣を卒業」と書いた看板を立てた。隣には、運命数が良い日を調べるための生年月日メモがある。
ビル「もう無駄な買い物をしない。その開始日を占いで決めたい」
ボブ「今日から支出を見直せばよいのでは?」
ビル「でも運が悪い日に始めたら三日坊主になりそうで」
エビー「気晴らしの占いを、決めるための許可証にしているわね」
ビル「許可がないと始められない!」
ボブ「そこでまた新しい占いグッズを買っているじゃないか」

やめる準備に、また買い物をした
ビルは節約を決意するたび、新しいノートや特別なペンを買っていた。やめる準備にお金を使い、肝心の行動を先延ばしにしていたのだ。
気晴らしと困りごとを区別する
日常には、何度もついやってしまう癖がある。寝る前にスマートフォンを見る、必要のない買い物をする、仕事が進まないと気晴らしを探す。これらの行動があるだけで、特定の依存症と決めることはできない。

ボブ「『やめられない気がする』という感覚と、医療上の診断は別だよ」
エビー「ビルは何をやめたいの?」
ビル「買い物をしたあと後悔すること。あと、何かを買えば気持ちが整うと思うこと」
エビー「それならまず、どんな気分のときに買い物をしたくなるか見てみよう」
ボブ「理由を調べず『意志が弱い』と決めつけても、次に困るだけだ」
ビルは失敗をすると、すぐに自分へ罰を課そうとした。カレンダーへ大きな赤い×を書き、翌日はさらに厳しいルールを作る。しかし罰の大きさは、使ったお金や困っている状況を整理する代わりにはならなかった。
医療の問題を占いだけで扱わない
厚生労働省の依存症対策の公式案内は、依存症の可能性について悩む本人や家族に、保健所や精神保健福祉センターへの相談を勧めている。保健所はこころの健康や健康相談などを扱い、精神保健福祉センターも依存症を含む広い相談を受け付ける。相談は、すでに診断が確定した人だけのための制度ではない。

ビル「占いの結果が良ければ、相談はいらない?」
ボブ「結果と相談の必要性を結びつけないで」
エビー「占いが楽しいからこそ、役割を決めておくのが大切ね」
日々の困りごとについて気づく入口として、娯楽の診断を使うことはできる。しかし「もう大丈夫」「あなたは依存症です」といった医学的な判断はできない。生活や仕事への影響が大きいときは、適切な相談先へつなぐことを考えたい。
ビルの『やめる予定表』
三人はビルの予定表を開いた。月曜は「絶対やめる」、火曜は「昨日できなかったので倍の努力」、水曜は「運命数が合わないため延期」と書かれている。
エビー「行動の記録より、自分への命令が多いわね」
ビル「強い宣言なら続くと思った」
ボブ「何が起きたかを観察する方が、具体的な対策を考えやすい」
エビー「たとえば夜に退屈で買い物をしたくなるなら、画面を見る前に別の過ごし方を用意する。仕事のストレスなら、休む時間を考える」
ビル「一つでも失敗したら全部やり直し?」
ボブ「記録が一度途切れたことと、今までの工夫が消えたことは違うよ」

記録が途切れても、工夫は消えない
習慣を扱う上では、成功したか失敗したかの二択より、どの場面で困るかが重要だ。自分だけで対応が難しい場合に、家族や専門の相談先へ状況を伝えることも選択肢になる。
博士は日付ではなく現実を見る
シルクワーク博士は大きな占いカレンダーを一枚めくった。
博士「ビル君。良い日を探している間に、困っていることは変わったのかな」
ビル「変わっていません。昨日も使わない物を買いました」
博士「では『いつ始めるか』を占いに決めてもらうより、何が起こり、どう困ったかを書こう。今日できる小さな対策は何か。お金や人間関係、健康にどんな影響があるか。相談する必要があれば、早めに適切な窓口を使ってよい」
ボブ「厚生労働省は、依存症が疑われる問題を一人で抱えず専門機関に相談するよう案内していますね」
博士「そうだね。娯楽の占いを見て気持ちを話すことと、病状の判断や治療を受けることは別だ。家族や周囲が本人を責めたり、問題をすべて肩代わりしたりすることも慎重に考えたい」

気持ちを話すことと、病状の判断は別
エビー「自分で気づくことがあっても、必要な時は人に助けを求められるわね」
今日一日の診断・ツール紹介
今日一日の「診断・ツールコーナー」には、無料の「数秘術・運命数占い」と「16タイプ性格占い診断」がある。数秘術は生年月日から運命数を求め、12タイプや相性診断を楽しむもの。16タイプ性格占い診断は簡易10問から詳細40問へ進み、性格に関する象徴的な説明を眺められる。後者は公式MBTI検査そのものではない。どちらも娯楽であり、依存症や心理状態の診断・治療をするアプリではない。
エビー「『なぜこの結果が気になるんだろう』と話すきっかけにはなるわ」
ビル「結果を見て、買い物の習慣を振り返るだけならいいんだね」
ボブ「もし実際に生活へ大きな影響が出ているなら、占い結果で安心せず専門の窓口を考えよう」
診断の画面から関連するコラムへ読み進めると、似た言葉の意味や考え方を整理できる。楽しさと必要な相談を混同しないのが使い方の基本だ。
一人で解決できないと感じたら
ビルは「悩みが深刻でなければ相談してはいけない」と思い込んでいた。そこでボブは、問題が大きくなる前に相談先を調べておくことにも意味があると説明した。
ボブ「自分で判断できないことがあれば、まず話を聞いてもらうことはできるよ」
エビー「誰かへ伝えるために、買い物をしたくなった時の状況をメモしておくのもいいかもしれないわ」
ビル「診断の点数を持っていかないと相手にされない?」
ボブ「そんな決まりだとは考えないで。何が困っているか、今の状況を自分の言葉で伝えることが大事だ」
厚生労働省の依存症対策ページでは、本人だけでなく家族も保健所や精神保健福祉センターに相談できると紹介している。自分を責める宣言より、状況を知っている人と現実的な対応を話し合う機会を持ちたい。
最後の占い道具
ビルは帰り際、財布から一枚の紙を出した。
ビル「今度こそ買い物を控える。占いで良い数字が出たから決めた!」
エビー「決めたこと自体はいいけど、今度は行動を見ようね」
ビル「そこで記録用の特注金庫を予約した」
ボブ「買い物をやめるために金庫を買うな!」
博士「まず今あるノートに書いてみてはどうかな」
ビル「金庫の納期を占えば……」
エビー「占いの役割をまた広げないで!」
『やめられない』という気持ちには、本人にしか分からない困りごとがある。娯楽をきっかけに考えてもよいが、そこから先の行動は現実の記録と適切な相談で決めたい。
出典
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