統合失調症|職場の異変を決めつけで扱うことが、会社にも本人にも一番高くつく
ビジネスで言うと
統合失調症とは一般に、思考や感情のまとまりに影響が出る病気として説明される言葉である。経営や職場の文脈で重要なのは、誰かの言動を見て病名を当てにいくことではない。集中が続かない、会話の噛み合い方が変わる、不安や警戒が強く見えるなど、仕事に支障が出る変化が現れたときに、会社がどう対応するかである。本人を責める対応も、逆に何も確認せず放置する対応も、状態を悪化させるおそれがある。経営者に求められるのは診断ではなく、業務上の事実を落ち着いて確認し、必要な配慮と専門機関への接続を用意することだ。異変を感じた場合は、社内で病名を決めつけず、本人や家族、専門機関とつながる道を確保する(医師へ相談して)。
原因
発症の仕組みは完全には解明されておらず、脳の働きに関わる要因や体質、強いストレスなどが重なって影響する場合があるとされる。特定の性格や育ち方だけで決まるものではない。職場では、睡眠不足や長時間労働、大きな環境変化が負担となり、状態の変化が目立つきっかけになる場合がある。周囲が陥りやすい誤りは、「やる気がない」「性格が変わった」と人格の問題に読み替えることだ。その読み替えが、本人の孤立と受診の遅れを招く。原因探しを社内で完結させようとせず、事実の記録と相談先の案内に徹するほうが、結果として会社も本人も守れる。
対策
職場でできることは、診断ではなく対応の手順を決めておくことである。
- 言動の変化は評価ではなく事実で記録する(日時、業務への影響、具体的な出来事)
- 本人と話すときは詰問せず、体調と業務量の確認から入る
- 業務の配慮は、期限・量・対人業務の調整など、具体的な範囲で決める
- 産業医や地域の相談窓口など、社外の接続先を事前に把握しておく
- 本人の同意なく病名の推測を社内に広めない
急な混乱や強い不安が見られ、業務継続が難しい状態であれば、無理にその場で結論を出さず、安全の確保と専門機関への相談を優先する(医師へ相談して)。復職や配置の判断も、自己流で決めず、主治医や産業医の意見を取り入れる形が望ましいとされる。経営者の仕事は、本人の状態を言い当てることではなく、働く場の安全と接続を途切れさせないことだ。
職場の異変に病名を貼るな。事実を確認し、専門家へつなぐ手順を持つ会社だけが、本人も組織も守れる。
今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

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