不安

カテゴリ:

不安|はっきりしない恐れに経営資源を食わせるな

ビジネスで言うと

不安とは、はっきりしない将来への恐れや心配の感情を指す言葉だ。経営で言うと、資金繰り、採用、取引先の動向、景気、自分の健康といった「まだ起きていないこと」に対して頭が先回りし、現在の行動が重くなる状態である。不安そのものは危険を知らせる信号として必要だが、信号が鳴りっぱなしになると、決断は遅れ、守りは過剰になり、挑戦のコストまで高く見積もられる。経営者は不安を消す仕事をしているのではない。不安を情報に変え、扱える大きさに切る仕事をしている。

原因

不安が強まる背景には、先が見えないことと、自分で制御できない感覚があるとされる。数字が曖昧、情報が断片的、相談相手がいない、期限だけが迫る。こうした条件が重なると、頭は最悪の場面を具体化し、体も緊張したままになる場合がある。疲労や睡眠不足は不安を大きく感じさせやすく、逆に不安が眠りを浅くする循環も起こり得る。さらに経営者は弱さを見せにくい立場にあるため、不安を外に出せず、頭の中だけで増幅させやすい。問題は感情の有無ではなく、不安が判断の主導権を握ることだ。

対策

不安対策の基本は、感情を根性で消すことではなく、「分からないこと」を「確認できること」に変えることだ。

不安の対象 扱い方
資金繰り 残高、入金予定、支払い予定を週次で一枚にまとめる
取引先 依存度と代替先を書き、連絡する順番を決める
人材 欠けた場合の影響と、補う手順を事前に用意する
健康 眠りと体調の変化を記録し、無理の線引きを先に決める

最悪の場合、現実的な場合、望ましい場合の三つを分けて書くと、不安は一つの巨大な塊ではなくなる。今日できる確認を一つだけ実行し、残りは期限を置く。不安をゼロにするのではなく、不安に使われる時間を経営に戻す発想である。部下の前での振る舞いも変わる。経営者の不安が言葉や態度でそのまま流れると、組織全体が守りに入り、現場からの報告まで遅くなる。不安を隠す必要はないが、加工せずに流すものでもない。数字と手順に変えてから伝えることが、現場の安心を作る。

不安に強い経営者は恐れがないのではない、恐れを数字と手順に分解し、今日の一手へ変えるのが速いだけだ。

今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です