ASD

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ASD|「空気が読めない」は短所か。特性と組織のすれ違いを読み解く

ビジネスで言うと

ASDは、対人関係やこだわりの特性を持つ発達障害の一つを指す言葉である。経営の場面で表面化するのは、「空気を読む」ことへの期待との摩擦だ。取引先の本音を察しにくい、部下の感情の機微に気づきにくい、自分の決めた手順へのこだわりが強い。その一方で、筋の通った判断、ブレない基準、専門分野への深い集中力といった、経営に効く強みを持つ人も多い。

大切なのは、ASDを「コミュニケーションが下手な人」という雑なラベルにしないことだ。起きているのは能力の問題ではなく、情報の受け取り方と処理の仕方の違いである。経営者自身が特性を持つ場合も、部下が持つ場合も、この理解の有無で組織の回り方はまるで変わる。なお、診断は専門機関で行うものである(医師へ相談して)。

原因

ASDの特性は、脳の働き方の生まれつきの特徴に関わるものとされる。後天的な性格の問題ではなく、本人の努力で「空気を読む力」を後から付ける、といった単純な話でもない。特性の出方は人によって大きく異なり、一括りにできない点も特徴である。

経営の現場で摩擦が起きる原因の多くは、特性そのものよりも「暗黙の了解」に頼った運営にある。言わなくても分かるはず、察してほしい、その前提が強い組織ほど、特性のある人間は力を発揮しにくい。逆に、指示が具体的で、基準が言語化された組織では、摩擦は大きく減る。つまり問題の一部は、組織側の設計にある。

対策

摩擦を減らす鍵は、察し合いの廃止と言語化である。

  • 指示は「いい感じに」ではなく、期限・量・合格ラインを数字と文章で出す。誰にでも効く改善でもある
  • 会議の決定事項はその場で文字に残す。言った言わないの摩擦を、記録で消す
  • 変更は事前に伝える。急な予定変更への弱さは、予告一つで大きく緩和できる
  • 雑談や空気の読み合いを評価項目にしない。成果と手順で評価する基準に寄せる
  • 特性への向き合い方に迷う場合は、本人が専門家に相談できる環境を整える。本人任せにしない(医師へ相談して)

「空気を読む力」に頼る組織は、空気の読めない人間を排除して終わる。基準を言葉にできる組織だけが、多様な特性を戦力に変えられる。


今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

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