レジリエンス|立ち直りの速さは根性で決まらない、経営者の回復力は仕組みで決まる
ビジネスで言うと
レジリエンスとは、打ちのめされても立ち直る心の回復力を指す言葉である。経営の文脈では、へこまない力ではない。大口取引を失う、資金繰りが詰まる、信頼した部下が辞める。経営に打撃は避けられない。差が出るのはその後だ。事実を受け止めて次の一手を打てるか、失敗を学びに変えて組織に残せるか、助けを求めて立て直しの速度を上げられるか。レジリエンスの高い経営者は無傷なのではない。傷ついたあとの戻り方が速く、その戻り方を会社の文化にまで広げている。打撃のたびに組織が萎縮する会社と、打撃を学びに変えて次に強くなる会社の差は、まさにこの回復の設計にある。
原因
回復力の差は、性格だけで決まるものではないとされる。睡眠や体力といった土台が削られているとき、人は打撃を大きく受けやすく、立ち直りにも時間がかかる場合がある。心理面では、失敗を「終わり」ではなく「情報」として見る見方、相談できる相手の有無、自分で変えられる部分に注意を戻す習慣などが、回復を支える要因として挙げられることがある。逆に、全ての責任を一人で背負い、弱さを見せる相手がいない状態では、一つの失敗が自己否定に直結しやすく、回復が遅れやすいとされる。回復力は個人の資質であると同時に、環境と習慣の産物でもある。
対策
レジリエンスは、打撃の当日に鍛えるものではない。平時に仕組みとして用意しておくものだ。
- 相談先を決めておく:数字の相談相手と、心情を話せる相手を分けて持つ
- 振り返りの型を持つ:事実、学び、次の一手を打撃のたびに同じ形式で書く
- 土台を切らない:睡眠と休日を、立て直しの局面ほど削らない
- 小さく再開する:復帰の初日は大きな決断ではなく、終わる仕事から始める
- 組織に広げる:失敗の共有を責める場にせず、学びを残す場にする
打撃を受けた自分を責める時間は短く、次の一手を書く時間を長くする。その配分が、回復の速度を決めていく。回復力のある会社は、個人の強さに頼らない。誰が打たれても戻れる型を持っている。
強い経営者とは倒れない経営者ではない、倒れたあとの戻り方を用意している経営者だ。
今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

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