PTSD|終わったはずの出来事が、今の判断を止め続けるとき
ビジネスで言うと
PTSDは、衝撃的な体験の後に続く心的外傷後ストレス障害を指す言葉である。経営の文脈では、事故、災害、暴力、重大なトラブルといった出来事の後、時間が経っても当時の場面が急によみがえる、似た状況を避ける、眠りが浅い、常に身構えるといった反応が残り、仕事の判断や対人関係に影響する場合がある。忘れようとして忘れられないことを、意志の弱さで片づけてはいけない。経営者が過去の出来事に反応し続けていると、新規開拓も組織づくりも、無意識に「二度とあの場面を作らない」方向へ寄っていく(医師へ相談して)。
原因
強い衝撃を受けたとき、心と体は危険から身を守るために強く反応する。その反応が出来事の後も長く残り、似た刺激に触れるたびに警戒が立ち上がる仕組みが関係するとされる。出来事を思い出すことを避けるほど楽になる一方で、避ける対象が広がり、生活や仕事の範囲が狭まる場合がある。また、周囲から「もう大丈夫だろう」と見なされ、つらさを話す機会がないと、孤立が深まりやすいとも言われる。反応の出方や続く期間には個人差が大きく、見た目では分からないことも多い。つらさが続く場合は自己判断で抱え込まず、早めに相談することが大切だ(医師へ相談して)。
対策
対策は、忘れる努力ではなく、現在の生活と仕事を取り戻すための支えを整えることだ。
| 場面 | 具体策 |
|---|---|
| 反応が強いとき | 安全な場所へ移り、その場で重い決断をしない |
| 仕事の設計 | 引き金になりやすい業務は、事前共有と分担で一人に集中させない |
| 記録 | いつ、どんな場面で反応が出たかを短く残し、相談時に伝える |
| 相談 | 反応が続き生活に影響する現状を、そのまま専門家へ話す |
身近な人が該当しそうな場合も、出来事を無理に聞き出したり、励ましで片づけたりしない。本人が話せる範囲を尊重し、必要なら相談先につながる手伝いをするほうが支えになる(医師へ相談して)。経営者自身が当事者の場合も、反応を隠して予定を詰め込むほど、判断の幅は狭くなる。休む日と人へ任せる範囲を先に決めておくことは、弱さの表明ではなく事業を守る設計である。
過去の出来事に反応する自分を責めるな、必要なのは忘却ではなく、今の経営を取り戻すための支えだ。
今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

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