自己肯定感

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自己肯定感|「ありのままを認める」は、経営者の判断のブレを減らす土台だ

ビジネスで言うと

自己肯定感とは、ありのままの自分を認められる感覚を指す言葉である。成果が出ている自分だけでなく、失敗した自分、調子の悪い自分も含めて「それでも自分はやっていける」と思える土台の感覚だ。経営の場面では、この土台の有無が、判断のブレ方にそのまま表れる。

自己肯定感の低い経営者は、評価を他人に委ねやすい。取引先の反応一つで一喜一憂し、部下の機嫌に振り回され、価格交渉では自分を安く見積もる。逆に、土台が安定した経営者は、批判を受けても人格まで揺らがない。批判を「情報」として処理できるため、判断が感情に引きずられにくくなる。自己肯定感は、精神論ではなく、経営の安定装置である。

原因

自己肯定感は、「条件付きの評価」の積み重ねで削られやすい。成果が出たときだけ認められる、数字が良いときだけ機嫌がいい。そうした環境で生きてきた人は、自分の価値を「現在の業績」と直結させる癖を持つ。業績が揺れれば、自己評価も一緒に揺れる構造になる。

経営者になると、この結びつきはさらに強まる。会社の数字が、ほぼそのまま自分の評価として返ってくるからだ。加えて、比較の相手は常に「うまくいっている他社」であり、SNSや業界の噂は成功者の姿だけを運んでくる。比較の設計自体が、自己肯定感を削る方向に組まれているのである。状態が悪化し、強い自己否定や気分の落ち込みが続く場合は、心の状態の確認も必要になる(医師へ相談して)。

対策

自己肯定感は、褒め言葉では育たない。評価の「軸足」を業績以外にも置くことで育てる。

  • 一週間の終わりに、数字以外の「やったこと」を3つ書く。人を育てた、難しい対応を終えた、休ませた。経営の価値は売上以外にも存在する
  • 批判を受けたときは、「行為への指摘」と「人格の否定」を分けて聞く。分けて聞ければ、必要な修正だけを取り込める
  • 比較の相手を「昨日の自社」に変える。他社の表側ではなく、自社の前進で評価する回路を作る
  • 価格や条件の交渉では、実績と提供価値を文章で用意してから臨む。自分を安く見積もる癖は、根拠の文章で押し返す
  • 小さな約束を自分と結び、守る。起きる時刻、歩く距離。その積み重ねが「自分はやれる」という土台感覚を作る

自己肯定感のない経営は、他人の評価に舵を渡した経営だ。土台を取り戻すことは、甘やかしではない。判断権を取り戻すことだ。


今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

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