エモーショナルイーティング|空腹ではないのに食べてしまう夜は、心が先に空腹なのだ
ビジネスで言うと
エモーショナルイーティングとは、空腹ではなく感情をきっかけに食べてしまうことを指す言葉である。ストレスの強い日の夜食、商談がうまくいった後の暴食、イライラを鎮めるための間食。経営者の一日は感情の起伏が大きく、その起伏のたびに「食べる」が発動すると、体重、睡眠、翌朝の調子にまで影響が及ぶ。
これは食欲の強さや自制心の問題ではない。食べる行為が、感情を処理するための最速の手段として組み込まれてしまった状態である。仕事の成果に直結しない分、軽く見られがちだが、体調は経営の基盤である。夜の食べ過ぎが眠りを浅くし、翌日の判断を鈍らせる。その連鎖は、立派な経営課題として扱うべきものだ。
原因
引き金は、処理しきれない感情の在庫である。不安、怒り、孤独、達成感の反動。感情は消すことができず、何らかの形で処理を求める。食べることは、手早く、確実に気分を変えられる手段のため、他の処理方法(休む、話す、書く)よりも優先されやすい。特に経営者は、弱音を吐く場や、ゆっくり食事を楽しむ時間を持ちにくく、「ついで食い」「締めの食い」に寄りやすい。
もう一つの要因は、生活のリズムである。夕食が遅い、会食が多い、昼食を抜く。その乱れが夜の空腹感を増幅させ、感情の引き金と重なったときに強い食欲として現れる。食行動や体重のことで強い苦痛や支障が続く場合は、背景の確認も含めて相談を検討してほしい(医師へ相談して)。
対策
食べるな、ではなく、感情と食事の回路を分ける。
- 「食べたい」と感じたら、まず本当の空腹かを確認する。直前の食事から何時間か、胃の感覚はどうか。10分だけ置く習慣を作る
- 夜の予定に「食以外の締め」を用意する。風呂、散歩、明日の準備。本音では「一区切り」が欲しいだけの夜も多い
- 感情の記録を短くつける。食べ過ぎた日に、何があったか。引き金の型が見えると、対処は立てやすくなる
- 会食の翌日は調整日ではなく休息日にする。罪悪感の断食は、次の暴食の引き金になりやすい
- 食行動が自分で制御しにくい感覚が続く場合は、意志の問題にせず、専門の窓口を頼る(医師へ相談して)
夜の冷蔵庫を開ける手は、腹ではなく心に引っ張られている。感情の処理方法を増やすことが、経営者の体調管理の本丸だ。
今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

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