空虚感|心に穴が空いたような感覚は、忙しさでは埋まらない
ビジネスで言うと
空虚感とは、心にぽっかり穴が空いたような、満たされなさを指す言葉である。経営の場面では、大きな目標の達成後、休日の静けさの中、あるいは順調なはずの日々の中で突然やってくる。「何のためにやっているのか」という問いが、答えのないまま頭に残り続ける。
空虚感を厄介にするのは、成功や忙しさと無関係に現れることだ。むしろ、手に入れたはずのものを手に入れた後にこそ強くなる。「売上も地位も得たのに、晴れない」という感覚は、贅沢な悩みとして処理されがちだが、経営者の判断と人生の両方に影響する、れっきとした点検項目である。虚しさを埋めるための衝動的な投資や買い物は、会社に傷を残すこともある。
原因
空虚感の背景には、「外側の目標」と「内側の納得」のずれがある。売上、規模、出店数。測れる目標を追うことに最適化された経営は、達成しても心の満足までは連れてこない。目標が「自分の人生の答え」として設計されていない場合、達成はゴールではなく、問いの再提示になる。
もう一つは、人とのつながりの質である。経営者は関係の「数」は多いが、立場を抜きに付き合える相手は少ない。必要とされる関係の中で生きていると、「自分という人間そのもの」への手応えが薄れていく。空虚感は、不足の感覚であると同時に、つながり方への問いでもある。虚しさが強く、気分の落ち込みや無気力が長く続く場合は、心の状態の確認も視野に入る(医師へ相談して)。
対策
空虚感は、活動量ではなく、意味とつながりの設計で扱う。
- 仕事の目標とは別に、「人生としてどうありたいか」を言語化する。曖昧でもいい、文字にすること自体が効く
- 達成したことを、他人ではなく自分のために振り返る。数字の達成と、得られた経験・関係を分けて書く
- 立場の要らない付き合いを一つ持つ。昔の友人、地域の集まり、学びの場。経営者でない自分が座れる席を確保する
- 虚しさを感じた時期に、大きな支出や投資の決断を持ち込まない。穴を埋める消費は、穴を広げる
- 空虚感が日常生活の意欲そのものを奪い続ける場合は、抱え込まずに相談する(医師へ相談して)
空虚感は、足りないもののリストではない。今の成功の作り方が、自分の人生とずれているという通知だ。通知を無視して走るな。
今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

コメントを残す