インポスター症候群

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インポスター症候群|実績があるのに「偽物だ」と感じる経営者の正体

ビジネスで言うと

インポスター症候群とは、実績があっても「自分は偽物だ」「運が良かっただけだ」と感じてしまう心理を指す言葉である。創業して会社を続けている、売上も社員もいる。それでも、表彰や取材の場面で「自分なんかが」と身がすくむ。いつか「本当は大したことがない」とばれるのではないか、という恐れがつきまとう。

この感覚の厄介なところは、実力不足とは無関係に起きることだ。むしろ、真面目に努力して成果を積み上げてきた人ほど強く現れる。経営の場面では、過剰な準備で自分を追い込む、成功しても次の不安に直行する、価格を上げる決断をためらう、といった形で事業の足を引っ張る。

原因

背景の一つは、成功の要因の見方である。自分の成果を「努力や工夫」ではなく「運やタイミング」に帰属させる癖があると、実績が増えても自信は積み上がらない。失敗は自分の実力、成功は偶然。この非対称な解釈が、偽物感を保ち続ける。

もう一つは、比較の相手の選び方である。同業の成功者、メディアで見る華やかな経営者。彼らの「表側」と自分の「内側」を比べれば、誰でも見劣りする。加えて、経営者は未熟さを口にできる場が少ない。弱さを見せない役割が、感覚を一人で抱え込ませ、固定化させていく。

対策

自信は感情で作るのではなく、記録で支える。

  • 実績の棚卸しを文字で行う。創業からの年数、乗り越えた危機、継続している取引先、雇っている人数。数字と事実は、感覚に反論する材料になる
  • 成功の要因を「運」と一括りにせず、自分の判断や行動が効いた部分を最低一つ書き出す
  • 価格や待遇の交渉では、感覚ではなく実績表を根拠に決める。偽物感で値段を下げない
  • 同じ立場の経営者と話す場を持つ。多くの経営者が同じ感覚を抱えていると知るだけで、重さは変わる
  • 不安が強く、仕事や睡眠に支障が出ている場合は、抱え込まず相談する(医師へ相談して)

「偽物だ」という感覚は、実績のなさの証拠ではない。責任を背負い続けてきた人間が、ときどき払う心の税金のようなものだ。払い終えたら、また前を向けばいい。


今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

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