アサーティブ|怒鳴らず、我慢もせず、経営者の意見を通す伝え方
ビジネスで言うと
アサーティブとは、自分も相手も尊重しながら、自分の意見や要望をはっきり伝える姿勢を指す言葉です。経営の場面で言えば、部下への指示や注意、取引先との価格交渉、金融機関への要望、無理な納期への返答で問われる伝え方です。
経営者の伝え方は、両極に振れやすくなります。一つは、強く言いすぎて相手を委縮させる伝え方。もう一つは、関係を壊したくないあまり本音を飲み込み、後で不満を溜め込む伝え方です。どちらも長くは続きません。前者は部下の報告を止め、後者は経営者自身の疲弊と、曖昧な指示による現場の混乱を招きます。
アサーティブな伝え方は、その中間です。感情をぶつけるのでも、我慢するのでもなく、事実と要望を言葉にして相手に渡す。経営者の孤独を深めないためにも、身につける価値のある実務の技術です。
原因
強く言いすぎる背景には、時間の圧迫感や資金繰りの焦りがあります。余裕がないときほど、説明を省いて結論だけを強く言いがちです。逆に言えなくなる背景には、「嫌われたくない」「辞められたら困る」という不安や、経営者は波風を立てるべきではないという思い込みがあります。
仕組みとして、人は疲れているとき、睡眠が足りないときほど、伝え方の調整が難しくなります。飲酒の席で本音を言いすぎて翌日に後悔する、といった形も、調整が利かなくなった姿の一つです。伝え方の問題は、性格の問題である前に、状態と手順の問題でもあります。
伝え方に限らず、強い疲労感や気分の落ち込みが続く場合は、まず心身の状態を確認してください(医師へ相談して)。
対策
基本の型は「事実→影響→要望→提案」の4点セットです。
アサーティブ伝達チェックリスト
- 事実:感情を除き、起きたことを具体的に言えたか
- 影響:会社や現場にどんな影響があるかを示したか
- 要望:相手に何をしてほしいかを1つに絞って言えたか
- 提案:相手が動きやすい代替案や期限を添えたか
- 確認:相手の言い分を最後まで聞き、合意を言葉で確かめたか
たとえば部下の報告が遅れた場面なら、「報告が金曜になかった(事実)。月曜の商談準備が止まった(影響)。次回から木曜までに一度報せてほしい(要望)。難しければ水曜時点で途中経過だけでも共有してほしい(提案)」となります。型があるだけで、声を荒らげずに要望は届きます。
言いたいことを飲み込む経営者は優しいのではない。言葉にしない要望は、必ず別の形で現場に返ってくる。
今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com までご連絡ください。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

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