笑顔うつ

カテゴリ:

笑顔うつ|人前では笑えるのに、一人になると沈む経営者の危険なサイン

ビジネスで言うと

笑顔うつとは、人前では笑顔でいられるのに、内面では気分が沈んでいる状態を指す言葉である。医学的な正式名称というより、表と内の落差を表す言い方として使われる。経営者にとって、この落差はむしろ「通常装備」に近い。社員の前では明るく、取引先の前では余裕を見せ、家に帰る車の中で一人、深く沈む。

厄介なのは、周囲から見えないことだ。笑えているから大丈夫だろう、と本人も周囲も判断してしまう。そのため発見が遅れやすい。笑顔は回復の証拠ではない。経営者という役割は「笑って見せること」が仕事の一部であり、その演技力の高さが、かえって状態の悪化を隠してしまう。

原因

根にあるのは、役割と本音の乖離である。「経営者は弱さを見せてはいけない」という思いが強い人ほど、感情を出す場所を失っていく。出せない感情は消えるのではなく、内側に溜まる。一人の時間に一気に押し寄せるのは、その清算である。

もう一つは、評価の二重構造だ。会社の数字が良い日は笑顔が作れる。だが数字の裏で資金繰りに悩み、人の問題を抱え、将来に確信が持てない。表の成功と内の不安の差が開くほど、笑顔との落差は深くなる。睡眠の乱れや食欲の変化が重なってきたら、心だけでなく状態全体の点検が必要になる(医師へ相談して)。

対策

対策の第一歩は、笑顔の裏側を「一人で処理するもの」から外すことである。

  • 本音を出せる相手を、会社関係の外に一人確保する。経営者同士の集まり、相談先、旧友。役職の要らない関係を持つ
  • 一日の終わりに、その日の気分を10点満点で記録する。点が低い日が続いたら、それは感覚ではなくデータとして扱う
  • 「平気なふり」が必要な場面の数を数える。演技の出番そのものが過多になっていないかを見る
  • 休みの日まで笑顔の役割を持ち込まない。家族の前でまで経営者でいる必要はない
  • 沈む時間の長さ、眠れなさ、食欲の変化が続く場合は、早めに相談する(医師へ相談して)

笑えることは、元気なことと同じではない。経営者の笑顔が一番上手くなったときこそ、内側の点検が要る。


今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です