意思決定疲れ

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意思決定疲れ|夕方の判断が雑になるのは、気合ではなく消耗の問題だ

ビジネスで言うと

意思決定疲れとは、決断を繰り返すうちに、判断の質が落ちていく状態を指す言葉だ。経営者の一日は決断の連続である。採用、価格、支払い、クレーム対応、部下の相談、その全てに「決める」負担がかかる。朝は慎重に比較検討できた案件が、夕方には「もう、どちらでもいい」「先方の言うとおりで」と流れていく。これは能力の低下ではない。判断に使う集中力や注意が、使うたびにすり減っていく消耗の問題として捉えた方が、対策が立つ。重要な契約ほど、疲れた時間帯に決めるべきではない理由はここにある。

原因

仕組みは単純で、決断の「量」と「重さ」が一日に集中しすぎていることだ。細かい承認、割り込みの相談、その場での即答要求が積み重なると、本来は重い決断に残しておくはずの力が、些細な判断で先に使われる。心理面では、疲れてくると人は「現状維持」か「先延ばし」か「丸投げ」に寄りやすいとされる。さらに睡眠不足や空腹、飲酒の翌日など、体のコンディションが悪い日は消耗が早い。決断の質は、その人の才覚だけでなく、その日の残量で決まる部分が大きい。

対策

決断を減らし、重い決断を守る。この二つを仕組みにする。

守り方 具体策
減らす 金額や範囲の基準を決め、基準内は部下の判断で進めてよいと明示する
固める 定型の判断はチェック項目化し、迷う時間をなくす
守る 重い決断は午前など頭の残量がある時間に置き、夕方に持ち込まない
遅らせる 「即答しない」を正式な手順にし、持ち帰りの期限だけその場で決める

判断表も有効だ。案件ごとに「影響の大きさ」「取り返しのつきやすさ」「締め切り」を書き、三つとも高いものだけを自分がその場で決める。それ以外は基準か、翌日か、部下へ回す。決断を手放すのではなく、配分する発想だ。夕方に重い案件が来たら、決めるのではなく「決める日時を決める」ところまでで止める。それも立派な経営判断である。

優れた経営者は決断が速いのではない、雑な決断をしない時間に、重い決断を置いているだけだ。

今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

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