ギャンブル依存|勝負師の勘と依存の衝動は、紙一重ではなく別物だ
ビジネスで言うと
ギャンブル依存とは、ギャンブルをやめられず、借金などが膨らむ状態を指す言葉である。経営者は日常的にリスクを取る仕事であり、「勝負勘」という言葉で自分の行動を正当化しやすい立場にある。だが、事業のリスクは試算と撤退基準の上にあり、依存の衝動は「負けを取り返したい」という感情の上に成り立つ。この二つは別物だ。問題が進むと、資金の流用、嘘、仕事への集中力の低下など、経営そのものを壊す要素が連鎖する。本人の意思の弱さとして処理する段階は早々に過ぎている。やめたいのにやめられない状態が続く場合は、一人で抱えず専門の相談窓口につながることが現実的な一手になる(医師へ相談して)。
原因
仕組みとしては、勝ったときの強い高揚感が記憶に残りやすく、負けたときほど「次で取り返せる」という考えに引っ張られやすい点があるとされる。不確実な報酬への期待が、合理的な試算を置き去りにする。心理面では、事業の停滞や資金繰りの不安から現実を一時的に離れたい気持ち、負けを認めることへの抵抗が重なる場合がある。スマホでいつでも賭けられる環境が普及し、始める敷居も、続ける敷居も下がっている。借金が膨らむほど冷静な判断は難しくなり、取り返そうとする衝動がさらに強まる悪循環に入りやすい。
対策
対策は根性論ではなく、アクセスと資金の遮断から始める。
| 遮断するもの | 具体策 |
|---|---|
| お金 | 大きな現金を手元に置かず、口座やカードの管理を家族等と共有する |
| きっかけ | 賭けに関わるアプリやサイトを削除し、通知を切る |
| 時間 | 衝動が強くなる時間帯に、予定と居場所を先に決めておく |
| 孤立 | 負けや借金の事実を、信頼できる相手に隠さず共有する |
借金がある場合は、返済計画を立てる支援窓口と並行して進めることが現実的だ。それでも衝動を制御できない状態が続くなら、専門機関や自助グループへの接続を先送りにしない(医師へ相談して)。会社のお金に手が及ぶおそれがある段階では、経理の二重チェックなど、組織側の防衛も同時に必要になる。本人を守ることと会社を守ることは、ここでは同じ作業である。
取り返そうとする一手が、取り返しのつかない一手になる。止める勇気ではなく、つながる早さが経営者を救う。
今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com まで。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

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