諦め|諦める力がない経営者は、撤退が遅れて会社を削る
ビジネスで言うと
諦めの語源は「明らめる」、物事の道理を明らかに見ることだと言われます。ビジネスで言うと、諦めとは敗北ではなく、続ける根拠とやめる根拠を明らかにする判断です。新規事業、赤字の取引先、合わない採用、効果の薄い広告。経営者に必要なのは根性ではなく、撤退条件を先に決める冷静さです。諦めが遅れるほど、資金も時間も人の気力も削られていきます。
原因
やめられない背景には、これまでかけた費用や時間を惜しむ心理、いわゆるサンクコストへの囚われがあります。「ここまでやったのだから」という言葉が出たら要注意です。さらに経営者は孤独で、やめる判断を相談できる相手が少なく、自分の決断を自分で否定することへの抵抗も強くなります。周囲への見栄や、失敗を認めたくない気持ちも、撤退を遅らせる要因です。諦めの遅れは意志の弱さではなく、判断の仕組みがないことの表れです。
対策
感情でやめるのではなく、数字でやめる仕組みを先に作ります。
撤退判断表(事業・取引ごとに1枚)
– 継続条件:売上、粗利、工数のうち最低ラインを数値で書く
– 判定日:毎月何日に見直すかを固定する
– 撤退条件:ラインを何回下回ったら終了するかを先に決める
– 次の使い道:空いた人と資金を何に回すかを書く
諦める対象は事業だけではありません。合わない働き方、無理のある取引条件、成果につながらない付き合いも同じです。一つ終わらせるごとに、経営者の時間と集中力が戻ってきます。逆に全てを抱えたままでは、新しい挑戦に使う余力が生まれません。諦めは守りの判断に見えて、実は攻めの資源を作る判断です。
チェック手順はシンプルです。
1. 判定日に表だけを見る(思い出話は禁止)
2. 条件に当てはまれば、理由を1行残して終了する
3. 終わらせた資源の行き先をその場で決める
やめることを先に決めておく経営は、現場にも無駄な我慢を強いることが少なくなる。
始める判断より、やめる判断の方が経営者の値打ちを決める。
今日一日では、経営者と働く人のこころのテーマを、仕組みと心理で読み解いています。個別の相談は soudan@kyou-ichinichi.com へどうぞ。毎日の読みものはメールマガジンでお届けしています(登録は今日一日のサイトから)。

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